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『ダッシュ!!』第三話

『ダッシュ!!』第三話















寒さが身にしみてきたそろそろ12月。
入学当初から働いている楽器屋さんで今日はバイト。

「お疲れ様でした~。」
『お疲れ様、次の時もお願いね。』
店長さんに挨拶を終えて外に出るとしみる様な寒さが体に突き刺さってきた。

『おーいっ!!待てよー!』
「ん?」
帰ろうと歩き始めた私に後ろからバイト仲間が声を掛けてきた。

「針谷くん。お疲れちゃん。」
『あーお疲れちゃん。・・・じゃねぇよ!!
お前足早いって!久々にシフト被ったんだから一緒に帰ろうぜ。』
「まぁいいけど。」
『何で上から目線なんだよ。』

針谷くんとはバイトに入った日が同じで最初は新人二人同じシフトになることはなかったんだけど今はお互い1年以上働いている事もあってたまに一緒になることがある。

「針谷くんて俺様タイプなの?」
『はぁ?!いきなりなんだよ。』
「いや、なんとなく。」
『・・・お前は自由人だよな。』
「それはどうも。」
『褒めてねぇよ!!』

いつもこうして漫才の様な会話をしてるとなんだかはるひと会話してるみたいで楽しい。
「とりあえず餌付けされてみる?」
『・・・なんだよ、それ。』
「昨日届いた毒蝮三蛇YOUオススメ毒蝮キャンディー食べる?」
『お前はそんな怪しい飴くれて俺がなつくと思ったわけ?』
「ややっ!?侮ってはいけませんよ?針谷くん。
このキャンディーはラジオなどで喉を使う三蛇YOUさんが自ら考案した喉に優しいのど飴なんですよ。」
『若ちゃんの真似しても全然・・・いや、むしろ余計怪しい。』
「まぁ騙されたと思って食べてみなよ。味はフルーティーなんだから。」
『騙されて終わりな気がする。』
「いいからいいから。」

私は昔からいろんな物をお取り寄せするのが好きで届いては針谷くんやはるひに食べさせて反応をみるのが好きだったりする。

恐る恐るキャンディーを口に含む針谷君は予想していなかった味に驚きを隠せないでいた。

『何これ!!!美味いじゃん!!!』
「だからいったじゃん。三蛇YOUが考案したんだから間違いないって。」
『・・・いや、それは間違いだろう。珍しく当たりじゃん。』
「珍しくとは失礼な。前にあげた渋谷系女子絶賛スターフルーツキャンディーも美味しかったじゃん。」
『確かにあれは美味かったけどさ、もっとマシなネーミングのもん取り寄せできないのかよ。』
「まぁいいではないか」
『・・・誰だよ、お前。』

他愛のない話をしながら駅までの道を歩く。
針谷君とは一年の体育祭でフォークダンスが一緒になった時に同じ高校と気づいてからは向こうから話し掛けてくるっていうのもあるけど気があうこともあってか仲良しだ。

『そういや来週期末だけどお前勉強してる?』
「ボチボチですな。」
『そっかー。お前意外に成績いいもんなー。』
「意外とは失礼な。」
『だってよー。俺今回マジでヤバイんだって!!!ヤマとか教えてくんない?』
「ヤマとか言ってるから毎回補習か補習ギリになるんだって。
ちゃんと勉強しなよ。」
『ちゃんと勉強できてんならお前に頼まないって。』
「まーそれもそっか。」
ニカッと意地悪っぽく笑ってみせると針谷君は何とも言えない顔をしてそっぽ向いてしまった。

「あーじゃあこれいる?
本当ははるひに渡そうと思って作ったまとめノートなんだけどまた作ればいいからあげるよ。」
『マジで?!助かる!!!』
さっきまでそっぽ向いてたかと思うとすぐ笑顔になってこちらを向いた針谷くんがなんだか可愛い。

針谷君は私が渡したまとめノートをみて『すげー!!!』とか『これ全部手書きじゃん!!!』とか言って嬉しそうにしている。
その姿をみていたらこっちまで嬉しくなってくる。
こういうのってやっぱりいいな。
何気なくしたことだけどこんなに喜んでくれるならいいよね。

「今回は分からない事とかコツとか氷上くんから教えてもらったからいつもより分かりやすくなってるとおもうんだー。よかったねー。」
『・・・氷上?』
「ん?」
氷上くんの名前を出した途端に針谷君の動きが止まった。
別に変な事を言ったワケじゃないと思うんだけど。

『・・・そういや前に氷上と噂あったよな。』
「はぁ?!いつの話してんの?!それにあれは誤解だよ。怪しいことなんてなかったし。」
『・・・でも二人きりで保健室にいたんだろ?』
「それは本当だけど他愛のない話してただけだよ?
私その日の朝に校門の前で派手に転んで近くにいた氷上くんが保健室に付き添って手当てしてくれたんだもん。」
『なにも二人きりでいることねぇじゃん。』
「たまたまだよ。私みたいなタイプ珍しかったんだろうし興味を持って話しかけてくることは悪い事じゃないじゃん。」
『・・・・・だからってなんでお前なんだよ。』
「?」
なんだか不機嫌になってしまった。
氷上くんに勉強を教えてもらうのがダメだったのかな?
それにしてもあれから数週間経っているのに未だに噂の事をいう人がいたとは。
まだ氷上くんが怪しい会長とか私が悪女とか言っている人いるのかな?
私は別に気にしないけど氷上くんに嫌な思いをさせてしまうなら申し訳ないなー。

不機嫌な針谷君をよそに1人悶々と考えていると隣で深いため息をついている事に気づいた。

「機嫌直った?」
『別に機嫌なんて悪くねぇよ。』
「そう?」
『あの噂以来仲良くなったってわけか?』
「今までまともに話した事なかったしね。
それに今回だってたまたま気にかけてくれただけで誰にでも勉強くらい教えたり教わったりするじゃん。」
『どうでもいいやつの為にここまでするかよ。』
なんだか歯切れが悪い。
なんだろう?
何をそんなに気にしてるんだろう。

「針谷君なんでそんなに氷上くんのことで突っかかるの?
氷上くんに何かされたワケじゃないでしょ?」
『・・・・。』

どうしたもんか。
もうすぐ駅前だしここは一言断って去った方がよさそうだ。
これ以上気まずくなるのは嫌だし。

「・・・という事でサラバだ!!!!!」
『はぁ?!なんだよ急に!!!!!』
「この空気に耐えられないんだ!!!な感じなので私は帰るよ。」
手を振りその場を後にしようと駆け出す私に呆然としている針谷君。
でもこれだけは言っておこう。

少し距離を置いて振り返る。
針谷君はまだ呆然としている。

「何をそんなに怒ってるかわかんないけど私にとっては針谷君もはるひも氷上くんも大事な友達だよ!!!
どんなキッカケでも仲良くなるのに時間なんて関係ない!!!」
『!!!』

私の言葉に驚いてなにやら口をパクパクしている。
顔もなんだか赤いみたい。
私はその様子をみてニカッと笑うと今度は振り返らずにその場を駆け足で去っていった。

昔から面倒なことは嫌い。
どうでもいいと面倒くさいが口癖の私。
本当はそれじゃダメなことも分かってる。
でもこれ以上答えのみつからない言い争いをして今の関係が壊れるのが怖い。
臆病者なんだ、私は。


針谷君の姿が大分見えなくなった頃、走るのをやめて近くのコンビニに寄った。
壁際の雑誌が立ち並ぶコーナーで物色しているといつも買っている雑誌の新しいのが出ている事に気づいた。
手にとる前に他のも物色して少ししたら帰ろう。

そんな事を考えてフト窓の外をみると、さっきまで走ってても全然気づかなかったキレイな星空が輝いていた。
星をみたらなんだか氷上くんに教えたくなって買い物を早々に済ませて外にでた。
歩きながらの携帯はよくないけどいい感じのポジションに立って携帯のカメラで空を写す。

カシャッ
パシャッ

何枚か撮ってそのうちの一番いい写りをメールで送った。
氷上くんとはあの噂以来メールのやり取りをしている。
本当は教室でだってなんだって会った時に色々話せたらいいんだけどあの噂があった時はまだ氷上くんが生徒会長になって一ヶ月も経ってなかった頃だったしこれ以上変な噂で迷惑かけたくなかった。
友達なんだから気にしなくてもいいって言ってしまえばいいんだろうけど
二人でサボった場所が保健室じゃね。
あとあと変な噂が追加されても困るし何とか説得して承諾してもらった。
それ以来こうしてほぼ毎日他愛のないメールをしている。
近所の犬に子供が生まれたとか私が好きなコンビニのおにぎりの話とかバイト帰り今みたいに夜空を写した写メを送ったり。
氷上くんはなんだか難しい番組をおススメしてきたり朝に勉強をすると頭に入りやすいとか色々為になる話をメールでしてくれる。

お互い全然タイプが違うから新鮮で面白い。
少し前まで苦手な人だったのに今メールでやり取りしてるのが楽しいなんてなんだか信じられないな。

家まではあと少し。
携帯をポケットの中にしまって夜空を眺める。
こんな時氷上くんと一緒にいられたらきっと色んな星の説明をしてくれたんだろうな。
さっきまで針谷君のことでモヤモヤしてたけどキレイな星空をみたらなんだかどうでもよくなってきた。
帰ったらメールすればいいよね。

家に着いて色々やることを済ませてから部屋で携帯をチェックしてみるとさっき氷上くんに写メした感想メールが届いていた。

「こんな時間までお疲れ様・・・かぁ。労いの言葉を欠かさないのはいいことだ。」
氷上くんらしい内容に笑みがこぼれる。

返信してから他のメールをチェックしていると針谷君からもメールがきていた。
謝罪文と“さっきの俺はどうかしてた。学校で会っても気まずくならないでくれたら助かる”という内容だった。

「なんで怒ってたかは結局分からず仕舞いか。まぁ本人がふれたくないならいいか。」
きっと彼の中で何かあったんだろうな。
私にだってそういう事ある・・・と思うし。

今日も色々あったけど帰り道キレイな夜空を眺められた事が嬉しくて嬉しい気持ちを抱えたまま眠ることにした。
だからすっかり忘れていた。
はるひの分のまとめノート作るの。

次の日はるひにノートを針谷君にあげちゃったって話をしたら何かよくわかんないけどすごい勢いで取り戻しに行っていた。
もう一つ作るのにって話したけど『あれがいいねん!!!』と必死に言われてしまった。
針谷君が持って帰ったから彼の部屋の匂いとかついてるかもしれないとか?
・・・その辺は乙女の事情だし考えなかった事にしよう。
頭の中で自己完結したあと平和だなーと他の人がテスト勉強で必死になってるのにのんきな事を考えている私だった。





つづく
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