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『彼女のいいところ』

「氷上くんは彼女のいいところいくつ言える?」
唐突に言われた友人からの言葉に一瞬固まってしまった。




『彼女のいいところ』




学生時代、学校は違ったけれど部活の関係で知り合った友人と久しぶりに会う事になった休日。
昼食の時間を過ぎた喫茶店で男二人飲み物を飲んで他愛のない話をしていた。

「そういえば氷上くんは彼女と付き合って長いよね?もうどのくらい?」
「卒業してからだから・・・そろそろ5年だな。」

彼女とは卒業式の日に告白したことで付き合いはじめ、その後は同じ大学(学科は違うが)で色々な経験をして大学卒業後の今も共に恋人として歩んでいる。

「長いね。氷上くんは大学院だっけ。」
「あぁ、目指している職業があってね。色々覚える事が沢山あるがやりがいがあるよ。」
「そうか。彼女は就職したんだ?」
「あぁ、彼女は大手の会社に就職した。毎日覚える事があって大変だともらしているよ。」
「色んな話ができる間柄っていいな。」
「赤城くんは彼女を作らないのかい?」
「いいなと思える子はいてもそれだけで付き合う理由にはならないよ。」
「そういうものなのか。」
「そういうものだね。」

昔からお互い恋愛の話をしたことはなかった。
自然と恋愛の話を切り出せるようになったのはやはり大人になったからだろうか?

「それだけ長い間付き合っててケンカとかはない?」
「ケンカか・・・。ないといえばない。あるといえばある。」
「氷上くんにしては珍しく曖昧だな。」
「僕も不思議におもっているよ。」
「じゃあ・・・」


「氷上くんは彼女のいいところいくつ言える?」


「え?」
微笑ましい会話をしている中での質問。
質問の意味がわからなくて一瞬固まってしまった。

「え?って。彼女と5年も付き合ってて大きなケンカもないなら仲がいいってことだよね?
それなら彼女のいいところもスラっと言えるのかなと思ってさ。」

唐突な友人の質問。
この質問に僕はなんて答えたらいいんだろうか?

「彼女のいいところ・・・」

笑顔がステキなところ。
自分の事に対しては天然ボケだが人の事は鋭い。(いいところなのか?)
気遣いができる。
心優しい性格。

考えれば出てくるいいところ。

しかしどれもなんか違う気がする。
いいところには変わりはないがいいところっていうのは簡単に言葉にできる物なのだろうか?

「そんなに深く考えなくてもいいよ。意地悪な質問しちゃったかな。」
彼は少し困った顔をして僕に謝ったあと話題を変えてくれた。

その後何を話したのか・・・なんとなくしか思い出せない。

ただ彼の質問がずっと頭の中をよぎって離れなかった。


友人と別れた夕方、彼女のところに会いに行った。
就職を始めてから1人暮らしをしている彼女のところには週末必ず訪れている。

「赤城君と久しぶりに会ってどうだった?元気にしてた?」
明るく元気な彼女の声。
ニコニコと微笑みながら夕食の仕度をしている。
「あぁ、元気だったよ。色々な話ができた。」
僕の話を聞いて「よかったね~。」といいながら微笑んでいる。
気にしたこともなかったけれど彼女のいいところは沢山ある。
けれど面と向かって誰かに・・・彼女に言うのは恥ずかしい。

「わぁっ!!!!!」
「わぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
考え事をしていると彼女は突然目の前で大きな声を出してきた。

「あはははは。ビックリした?」
無邪気な彼女の笑顔に僕は唖然とする。
「ハァ・・あっあぁ、心拍数が上がるくらいにはビックリしたよ・・・。」
「それでも冷静にみえるところが格くんよね。」
フフフといいながら僕に微笑んだあと「何かあったの?」と尋ねてきた。
「・・・何かあったワケではないが君のいいところをいくつ言えるか聞かれた。」
「えっ?!私の?!それでいくつ答えたの?」
「・・・ひとつも答えられなかった。すまない。」

僕の答えに少し考えた後彼女の口が開く。
「いいところが一つもなくて答えられなかったとかではない?」
「いっいや!!!それは決してない!!!・・・なんというか言葉が見つからなかったんだ。」
僕の言葉にまたも考え込んだ彼女は少ししてからニコッと笑って「ならいいよ。」と言った。

「え?」
「いいところがないから言えないんじゃなかったんでしょ?ならいいよって言ったの。」
「いいのかぃ?」
驚く僕に彼女は尚も続ける。

「だっていいところがあるけど言葉が見つからなかったのは悪いことじゃないもの。
誰だってすぐに答えられないことは沢山あるわ。それに・・・。」
言葉をきってクスクス笑い出す彼女に?がよぎる。
「・・・それに?」

「格さん、恥ずかしがりやでしょ?」

優しく微笑みながら答えた彼女の表情はとてもやわらかかった。
「内容とかじゃなくて格さんにとって私のいいところがあるって言うだけで嬉しいんだ。」
照れながら台所に戻る彼女の後姿を見て僕はなんだか肩の荷が下りた気分だった。

本当はカッコよく言えればいいんだろう。
愛する人のいいところ。
でも彼女は言えなくてもいいと言ってくれた。
自分にいいところがあると僕が気づいただけでいいと。

「今日は野菜たっぷりのグリーンカレーだよー。」
夕食の献立をいいながら嬉しそうに盛り付けをしている彼女に僕はイスに座りながら声をかける。

「・・・ひとつ。一つだけなら君のいいところを言える。」
「え?別にいいよ?無理に言おうとしなくても格さんの気持ち伝わってるよ?」
背を向けたまま話す彼女は少し苦笑しているようだ。
「言わせて・・・くれないか?」
「?いいよ。でも面と向かって言われると余計に恥ずかしいね。」
クスクス笑う彼女は「もう少しで盛り付け終わるからねー」と作業をしている。


ひとつだけ。
今は一つだけしか言えないけれど
他の誰でもない、彼女にだけ
この一言に沢山の気持ちを込めて。



「君が僕を受け入れてくれたところだよ。」



僕の言葉にさっきまでクスクス笑っていた彼女は盛り付けの手を止めて僕の方を振り返った。

この時、彼女がどんな表情だったかは僕だけの秘密。




おわり



人のいいところを言葉に出すのって意外と恥ずかしいと感じるのは碧唯だけでしょうか?w
この二人はいつまでも照れたりしながら歩んでもらいたい♪
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